琉球大学大学院医学研究科 胸部心臓血管外科学講座 心臓血管・呼吸器外科(琉球大学病院 第二外科)

アクセス
〒901-2720 沖縄県宜野湾市字喜友名1076番地
Endovascular treatment / Stentgraft

血管内治療(ステント)
今後も需要が高まる新しい治療法

2024年度 状況報告

心・大血管低侵襲治療チーム

 令和6年(2024年)における大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術の手術件数は、TEVAR:18例、EVAR:20例の計38例でした。TEVARで1例手術死亡認めましたが、超高齢者・弓部感染瘤症例で敗血症コントロールつかず残念ながら救命できませんでした。
その他の症例は、急性大動脈解離・破裂症例等の緊急手術も多く含んでいましたが、主要合併症(脳梗塞・対麻痺・血管損傷等)いずれも認めず、良好な成績でした。

また、弓部大動脈瘤に対する血管内治療の新たな試みとして自作開窓型ステントグラフトを更に改良し、3分枝開窓+小口径ステントグラフト挿入法を導入しました。これまでのNajuta開窓デバイス(東京女子医大学病院 横井 良彦先生製作)とは異なり、Cook社のZenith Alpha Thoracicを開窓し、ガイドワイヤーを開窓部へpre-crossする方法で、安全に手技を遂行する方法です。
未だ、症例数少なく、今後の研鑽は必要ですが開胸手術ハイリスク患者には、有用な手技と考えています。



 TAVIに関しては、年間症例数99例となり、指導施設認定の要件である年間平均100例以上(直近3年間で計300例以上)達成、TAVI指導施設申請しました。令和7年度上旬には施設認定され、ライブデモンストレーション手術も可能になります。

 令和6年度の心・大血管低侵襲治療チームにおいて特筆すべき成果・活動としては、新崎 翔吾先生が、腹部ステントグラフト実施医3機種習得し、更に今後は胸部ステントグラフト実施医習得に向け修練を積んでいます。
また、研修医の野口 瑛伸先生が第57回日本胸部外科学会九州地方会総会JATS Case Presentation Awardsセッションにて、その見事な発表内容が認められ、全国学会Awardsセッションの参加資格を獲得しました。

 来年度は新病院での新たなスタートになります。今後も安全かつ高度な低侵襲治療を提供できるよう慢心せず、チーム一丸となり修練していきたいと思います。